「見るな見るな見るなーっ!」「別に良かろう。」「良くねえよ!!」 [文]
駄文です。
晒していいのか自分に問いかけてみよう………ぐぅ(寝)。
当然擬人化です。
かなり設定文めいてます。
ぬるーい戦闘があるようなないような。
それでもよろしければ…どうぞ。
<<First contact with in DEADRYDOLL>>
世界の隙間。オレはそういう場所に住み、そこを移動し、実体世界を見ている。
実体化して干渉するのはヒマで気が向いたとき。まあ勝手に手出しできる幽霊みてえなもんか。
***
近くで何か呟く声が聞こえる。
空間に浮かんでごろ寝していたオレは、何事かとほんの少し首を伸ばす。
喧嘩騒ぎになるようなら久々に混ぜてもらおう。最近どこもおとなしすぎてヒマしてんだよ。
「…起命。」
その言葉と同時にこの世界にある隙間から、『オレ』が強烈な力で吸い出された。
「ッ!かはっ…は、はぁ…。」
実体化したことは何度もあったが、今回は今までに感じたことのない感覚だった。息が苦しい。口の中が泥臭い。
腕でグッと口元をぬぐってすぐ横に唾を吐き出す。しかし違和感は薄れない。
ふ、と頭の上に影が差した。
見上げるとしばしば見る統一された緑色の服。ヒト離れして細長い胴体と、首を狩るのに適した形してんなあと常々考えていた鎌の形をした腕は…オオカマキリじゃねえかよっ!
ザシュッ!
何がなんだかわからないまま、襲ってきた初撃を黒い土の上を転がることでなんとか避けた。
「ったく何なんだよっ!」
とにかく上を取ってヤツの脳ミソぶちまければ殺せる、と転がった先にあったオレの頭大の石を抱え上げようとして伸ばした腕にぎょっとした。
この細さ、オレじゃねえ。
ますます混乱する間にオオカマキリが近付いてくる。
振りかぶった死神の鎌は、今度こそ首を狙って落ちてくるはずだ。
ワケわかんねえ、オレ死ぬのかよ?
這いつくばったまま、まるでスローモーションのように降りてくる鎌を呆然と見上げた。
「終の射、黒鷹。」
聞き覚えのある声と同時に、オオカマキリの体がたたらを踏んだ。そして鎌状の腕の一本が旋回しながら落ちてくる。
オレ横間一髪の場所に落ちた鋭いソレを今度はためらわずにつかみ上げ、よろめいて低くなったオオカマキリの背に飛び乗る。
「テメェのエモノでも喰らって逝きやがれっ!!」
握った鎌で、一気に持ち主の首を掻き落とした。
***
頭を失ったオオカマキリの体は墓のいくつかにぶつかりながら崩れ落ちた。オレはその寸前に飛び降りて退避。
つーか今更なんだけどここってば霊園か?墓だらけじゃねえのよ。
それにこの細っこい腕は何だってんだ。
いやその前にだな、何だろうと素手でヤツの鎌握っちまったわけだし止血止血…と…あ?
「血が、出てねえ?」
皮膚が破れて筋が見えているというのに、ほんのわずかな血も滲んではいない。他の部分を見回しても、傷口はあるがそれに付きものの赤い色が全く見当たらない。
そして、見回して確信した。やはりオレの体ではない。
…胸、これEカップくらいあんだろ。なんでか色が土色ってえの?ヤバいけど。
「それは元より死者の体。血は通っておらぬ故手当ては無用。治りもせぬがな。」
「その声聞くのは今日三回目だなあ?ワケ知ってんなら説明しろよ…まだ死にたくねえだろ?」
間違ってもオレのものではない細い腕で、今のオレより若干高い位置にある相手の襟元を締め上げた。
「我が名は終名。」
白く長い髪と、薄青く瞳孔のほとんど見えない目の持ち主は、オレの手を軽く払う。
肩にかけた薄紫色の着物がふわりと揺れた。
***
「まさか我が術が意識を持とうとはな。」
墓の横に座った『ついな』とかいう男…いや女か?が独り言のように呟いた。
ここは終名のテリトリーらしい。どこもかしこも墓だらけなのはネクロフィリア…まさかな。
「は?意識?オレは『invisible X』、略してイクスだ。18才男。」
目の前に胡坐をかいたオレを終名が冷めた目で見やる。
「我は死者、生者の区別しかつけぬ。貴様からは死者の匂いも生者の鼓動も感じぬが。」
死者の魂ではないのか。
終名の青味を増した気がする目がすと細くなった。
「質問してんのはオレだ。テメェこそオレに何しやがった。」
「我は少々術を使用して地中の骸を呼び覚ましたのみ。不埒な侵入者を排除するためにな。」
「あのオオカマキリか。つか術って何だ?」
「次に答えるならば貴様の方が先であろう?」
終名はふいと顔を背けた。
ヤロウ、ケンカ売ってるつもりなら十倍値でも買うぞ。この体でどこまでやれるか知らねーけどな。
「オレはいわゆるドッペルゲンガーってやつだ。普段はこの実体世界の隙間みてえな場所にいる。テメェの声が聞こえたかと思ったらこの有様なんだよ。」
手を広げて推定Eカップの女の体を見せてやった。
一応は出ようとしてみたが、何かの中に入るなんて経験は初めてなもんでどうすりゃいいのかわからねえ。
結局このEカップのまんま話し合いを余儀なくされたっつーワケだ。
「我が術が…幽鬼を取り込んだ?」
いや、死者ではないのか…と小さく呟く終名は男にも女にも見える。
「ゆうき…幽霊ってことか?だーからドッペルだっつってんだろ。本体はどこかの誰かさんで、オレはその影みてえなモンだ。」
「よく分からぬが、生霊のようなものか。…術の事だったな。あれは禁術、地中の骸を使役する術。我の傀儡として操る事が可能になる。」
「ちょい待て。じゃあ何か?今死体の中にいるオレ様は、コレの道連れでテメェの操り人形ってワケか?」
「意識を有する故扱い難かろうが…そうなるな。」
「冗談じゃねえ!術だか何だか知らねえがなんとかしやがれ!!」
このひんやりした土気色のEカップでこれから過ごせというつもりか。
白い着物の襟をつかんで再び詰め寄ると、
「術は再び骸を破壊する事でしか解けぬ。少なくとも、我の知る限りは。」
さらりとぬかされた。
この器を破壊する。現在中身のオレはどうなるのか。
一緒に消えるか、また世界の隙間に戻れるのか。全くの未知数だ。それでも。
「仕方ねえな、やれよ。」
「貴様、死は恐ろしくないのか?」
「今にも腐りそうなコレに入ってるよりゃマシだ。」
こんなクソ重たい体に年がら年中縛りつけられたまま生きて行くのはゴメンだ。
おまけに肌の色やら何やらで無駄に目立つ。頭かきゃ髪の毛抜けるし。
マジで冗談じゃねえ。
オレの言葉にそうか、と短く答えた終名はいくらか距離を取ると、それ以上念を押すこともせずに構えた和弓から至極あっさりと矢を放った。
矢が真っ直ぐ頭めがけて飛来する。
反射的に避けそうになる体を、意志の力でなんとか抑え込む。
オレがいいっつったんだけども、テメェ少しはためらいやがれってんだよ。
***
「おー戻った戻った。」
ゆらりと空中で半回転する。
視界が反転した頭の下約二メートルには黒い地面と、白灰色のさらさらとした粉が散っている。
粉の方はオレがさっきまで入っていた体のなれの果てだ。
「それが貴様の真の姿か。」
終名が終始伏せ気味だった青の目を上げている。
位置的にはしっかりとこの世界の隙間にいるオレの姿を捉えているらしい。
「見えんのかよ?珍しいヤツだな。」
「薄ぼんやりとだが。やはり生霊に似ているが違うらしい…迷鬼とでも名付けるか。」
「オレは好んでドッペルゲンガーやってんだ。勝手に迷子にすんじゃねえよ。」
「…ならば揺らぐ世界の鬼、揺鬼。」
「『invisible X』、イクスだっつの。」
「横文字は好かぬ。」
勝手にしろ。
次に会う機会がありゃ実体化して驚かせてやんぞ。
あーその前に二度とこんな場所通らねえ。絶対通らねえ。
ゆら、ともう半回転して地面と体の方向を合わせると、オレは終名の住処から行く先も決めずに跳んだ。
<END>
●イクス視点、つーさんとの出会いでした。
さり気なく可哀想。嫌い(苦手)になるのも道理です。つーさんの方は何とも思ってないのが更に痛い。
にしても冗長ですにゃ。所詮は駄文よ…。
晒していいのか自分に問いかけてみよう………ぐぅ(寝)。
当然擬人化です。
かなり設定文めいてます。
ぬるーい戦闘があるようなないような。
それでもよろしければ…どうぞ。
<<First contact with in DEADRYDOLL>>
世界の隙間。オレはそういう場所に住み、そこを移動し、実体世界を見ている。
実体化して干渉するのはヒマで気が向いたとき。まあ勝手に手出しできる幽霊みてえなもんか。
***
近くで何か呟く声が聞こえる。
空間に浮かんでごろ寝していたオレは、何事かとほんの少し首を伸ばす。
喧嘩騒ぎになるようなら久々に混ぜてもらおう。最近どこもおとなしすぎてヒマしてんだよ。
「…起命。」
その言葉と同時にこの世界にある隙間から、『オレ』が強烈な力で吸い出された。
「ッ!かはっ…は、はぁ…。」
実体化したことは何度もあったが、今回は今までに感じたことのない感覚だった。息が苦しい。口の中が泥臭い。
腕でグッと口元をぬぐってすぐ横に唾を吐き出す。しかし違和感は薄れない。
ふ、と頭の上に影が差した。
見上げるとしばしば見る統一された緑色の服。ヒト離れして細長い胴体と、首を狩るのに適した形してんなあと常々考えていた鎌の形をした腕は…オオカマキリじゃねえかよっ!
ザシュッ!
何がなんだかわからないまま、襲ってきた初撃を黒い土の上を転がることでなんとか避けた。
「ったく何なんだよっ!」
とにかく上を取ってヤツの脳ミソぶちまければ殺せる、と転がった先にあったオレの頭大の石を抱え上げようとして伸ばした腕にぎょっとした。
この細さ、オレじゃねえ。
ますます混乱する間にオオカマキリが近付いてくる。
振りかぶった死神の鎌は、今度こそ首を狙って落ちてくるはずだ。
ワケわかんねえ、オレ死ぬのかよ?
這いつくばったまま、まるでスローモーションのように降りてくる鎌を呆然と見上げた。
「終の射、黒鷹。」
聞き覚えのある声と同時に、オオカマキリの体がたたらを踏んだ。そして鎌状の腕の一本が旋回しながら落ちてくる。
オレ横間一髪の場所に落ちた鋭いソレを今度はためらわずにつかみ上げ、よろめいて低くなったオオカマキリの背に飛び乗る。
「テメェのエモノでも喰らって逝きやがれっ!!」
握った鎌で、一気に持ち主の首を掻き落とした。
***
頭を失ったオオカマキリの体は墓のいくつかにぶつかりながら崩れ落ちた。オレはその寸前に飛び降りて退避。
つーか今更なんだけどここってば霊園か?墓だらけじゃねえのよ。
それにこの細っこい腕は何だってんだ。
いやその前にだな、何だろうと素手でヤツの鎌握っちまったわけだし止血止血…と…あ?
「血が、出てねえ?」
皮膚が破れて筋が見えているというのに、ほんのわずかな血も滲んではいない。他の部分を見回しても、傷口はあるがそれに付きものの赤い色が全く見当たらない。
そして、見回して確信した。やはりオレの体ではない。
…胸、これEカップくらいあんだろ。なんでか色が土色ってえの?ヤバいけど。
「それは元より死者の体。血は通っておらぬ故手当ては無用。治りもせぬがな。」
「その声聞くのは今日三回目だなあ?ワケ知ってんなら説明しろよ…まだ死にたくねえだろ?」
間違ってもオレのものではない細い腕で、今のオレより若干高い位置にある相手の襟元を締め上げた。
「我が名は終名。」
白く長い髪と、薄青く瞳孔のほとんど見えない目の持ち主は、オレの手を軽く払う。
肩にかけた薄紫色の着物がふわりと揺れた。
***
「まさか我が術が意識を持とうとはな。」
墓の横に座った『ついな』とかいう男…いや女か?が独り言のように呟いた。
ここは終名のテリトリーらしい。どこもかしこも墓だらけなのはネクロフィリア…まさかな。
「は?意識?オレは『invisible X』、略してイクスだ。18才男。」
目の前に胡坐をかいたオレを終名が冷めた目で見やる。
「我は死者、生者の区別しかつけぬ。貴様からは死者の匂いも生者の鼓動も感じぬが。」
死者の魂ではないのか。
終名の青味を増した気がする目がすと細くなった。
「質問してんのはオレだ。テメェこそオレに何しやがった。」
「我は少々術を使用して地中の骸を呼び覚ましたのみ。不埒な侵入者を排除するためにな。」
「あのオオカマキリか。つか術って何だ?」
「次に答えるならば貴様の方が先であろう?」
終名はふいと顔を背けた。
ヤロウ、ケンカ売ってるつもりなら十倍値でも買うぞ。この体でどこまでやれるか知らねーけどな。
「オレはいわゆるドッペルゲンガーってやつだ。普段はこの実体世界の隙間みてえな場所にいる。テメェの声が聞こえたかと思ったらこの有様なんだよ。」
手を広げて推定Eカップの女の体を見せてやった。
一応は出ようとしてみたが、何かの中に入るなんて経験は初めてなもんでどうすりゃいいのかわからねえ。
結局このEカップのまんま話し合いを余儀なくされたっつーワケだ。
「我が術が…幽鬼を取り込んだ?」
いや、死者ではないのか…と小さく呟く終名は男にも女にも見える。
「ゆうき…幽霊ってことか?だーからドッペルだっつってんだろ。本体はどこかの誰かさんで、オレはその影みてえなモンだ。」
「よく分からぬが、生霊のようなものか。…術の事だったな。あれは禁術、地中の骸を使役する術。我の傀儡として操る事が可能になる。」
「ちょい待て。じゃあ何か?今死体の中にいるオレ様は、コレの道連れでテメェの操り人形ってワケか?」
「意識を有する故扱い難かろうが…そうなるな。」
「冗談じゃねえ!術だか何だか知らねえがなんとかしやがれ!!」
このひんやりした土気色のEカップでこれから過ごせというつもりか。
白い着物の襟をつかんで再び詰め寄ると、
「術は再び骸を破壊する事でしか解けぬ。少なくとも、我の知る限りは。」
さらりとぬかされた。
この器を破壊する。現在中身のオレはどうなるのか。
一緒に消えるか、また世界の隙間に戻れるのか。全くの未知数だ。それでも。
「仕方ねえな、やれよ。」
「貴様、死は恐ろしくないのか?」
「今にも腐りそうなコレに入ってるよりゃマシだ。」
こんなクソ重たい体に年がら年中縛りつけられたまま生きて行くのはゴメンだ。
おまけに肌の色やら何やらで無駄に目立つ。頭かきゃ髪の毛抜けるし。
マジで冗談じゃねえ。
オレの言葉にそうか、と短く答えた終名はいくらか距離を取ると、それ以上念を押すこともせずに構えた和弓から至極あっさりと矢を放った。
矢が真っ直ぐ頭めがけて飛来する。
反射的に避けそうになる体を、意志の力でなんとか抑え込む。
オレがいいっつったんだけども、テメェ少しはためらいやがれってんだよ。
***
「おー戻った戻った。」
ゆらりと空中で半回転する。
視界が反転した頭の下約二メートルには黒い地面と、白灰色のさらさらとした粉が散っている。
粉の方はオレがさっきまで入っていた体のなれの果てだ。
「それが貴様の真の姿か。」
終名が終始伏せ気味だった青の目を上げている。
位置的にはしっかりとこの世界の隙間にいるオレの姿を捉えているらしい。
「見えんのかよ?珍しいヤツだな。」
「薄ぼんやりとだが。やはり生霊に似ているが違うらしい…迷鬼とでも名付けるか。」
「オレは好んでドッペルゲンガーやってんだ。勝手に迷子にすんじゃねえよ。」
「…ならば揺らぐ世界の鬼、揺鬼。」
「『invisible X』、イクスだっつの。」
「横文字は好かぬ。」
勝手にしろ。
次に会う機会がありゃ実体化して驚かせてやんぞ。
あーその前に二度とこんな場所通らねえ。絶対通らねえ。
ゆら、ともう半回転して地面と体の方向を合わせると、オレは終名の住処から行く先も決めずに跳んだ。
<END>
●イクス視点、つーさんとの出会いでした。
さり気なく可哀想。嫌い(苦手)になるのも道理です。つーさんの方は何とも思ってないのが更に痛い。
にしても冗長ですにゃ。所詮は駄文よ…。
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